なぜ3行で足りるのか。この論点で問われるのは「境目の数字はいくつか」だけで、間違いの選択肢は毎回数字を入れ替えるか、存在しない数字を混ぜてくるだけだからです。そして、出る場所もほぼ決まっています。
この14回の問い方は、2つしかありません。
「電圧の低圧区分の組合せで、正しいものは」。答えは毎回直流750V以下・交流600V以下です。
「交流の電圧区分で、正しいものは」。答えは毎回低圧600V以下・高圧600V超7000V以下です。
| 選択肢の中身 | どこが変か | 正しくは |
|---|---|---|
| 直流600V以下・交流750V以下 | 交流と直流が逆 | 直流750・交流600 |
| 交流700V以下/650V以下/300V以下 | 法令に無い数字 | 交流は600V一択 |
| 高圧は600V超10 000V以下 | 高圧の上限を水増し | 7000V以下 |
| 低圧は750V以下(交流の問題で) | 直流の数字を交流に流用 | 交流の低圧は600V |
※ 過去に出た誤りの選択肢から、主な型を並べました。このほか、直流と交流を同じ数字にした組合せ(どちらも600V、どちらも750V)や、直流700V以下という選択肢も出ています。
「電気設備に関する技術基準を定める省令」で定められている交流の電圧区分で、正しいものは。
| イ 低圧は600V以下、高圧は600Vを超え10 000V以下 |
| ロ 低圧は600V以下、高圧は600Vを超え7000V以下 |
| ハ 低圧は750V以下、高圧は750Vを超え10 000V以下 |
| ニ 低圧は750V以下、高圧は750Vを超え7000V以下 |
出典:令和6年度下期 第二種電気工事士学科試験 問30
| 問い | 答え |
|---|---|
| 交流の低圧の上限は? | ?600V |
| 直流の低圧の上限は? | ?750V |
| 特別高圧になるのは何Vを超えたとき? | ?7000V |
3つとも即答できれば、この論点は仕上がりです。
数字そのものは丸暗記でかまいませんが、大小関係だけは理屈で固定しておくと取り違えません。
交流は電圧が絶えず上下に振れていて、瞬間のピークは実効値より高くなります(実効値600Vなら瞬間は約850V)。直流は値が一定で、そういうピークがありません。だから「交流のほうが早く上限に達する=交流600・直流750」とイメージで結び付けておけば、選択肢が入れ替わっていても気づけます。
※ これは大小を取り違えないための覚え方です。省令に区分の理由は書かれていません。試験で問われるのは数字そのものだけです。
省令の記述を4つ並べて誤りを1つ選ばせる形が、令和6年度上期と令和7年度下期の2回(いずれも第二種電気工事士学科試験 問30)出ています。狙われるのは「電線」の定義です。令和6年度上期は電路の定義を電線に付けたもの、令和7年度下期は電線を「電気使用場所において施設する電線」に限ったものが誤りでした。
| 用語 | 省令の定義 | イメージ |
|---|---|---|
| 電線 | 電線そのもの(「電気使用場所で施設する」という限定は付かない) | 電気を通すモノ |
| 電路 | 通常の使用状態で電気が通じているところ | 電気が通る範囲 |
| 電気機械器具 | 電路を構成する機械器具 | 電路の部品 |
「電線とは、通常の使用状態で電気が通じているところをいう」という選択肢が出たら、それは電路の定義なので誤りです。線(モノ)=電線/ところ(範囲)=電路と分けて覚えてください。
なお、この2回とも「電圧の種別である低圧、高圧及び特別高圧を規定している」「感電、火災その他人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する」という選択肢は正しい記述として出ています。ここは切らなくて大丈夫です。
第29〜30問には、電圧区分でも条文の誤り探しでもない、次のような問題が出たこともあります。優先度は低いので、余力があれば目を通す程度で構いません。
| 出題 | 答え |
|---|---|
| 住宅の屋内電路に使用できる対地電圧の最大値(平成23年度上期 第二種電気工事士筆記試験 問29) | 150V |
| 電路の(A)には過電流遮断器を施設し、(B)が生じた場合には(B)遮断器の施設などの措置を講じる(令和5年度上期 第二種電気工事士学科試験(午前)問30) | (A)必要な箇所/(B)地絡 |
後者は(A)に「すべての分岐回路」、(B)に「過電流」を入れたくなる問題です。過電流遮断器の話は(A)の文で済んでいて、(B)の文には「乾燥した場所に施設する等の(B)による危険のおそれがない場合は、この限りでない」という但し書きが付きます。乾燥した場所なら危険が小さくなるのは地絡(漏電)のほうなので、(B)は地絡です。